♪生徒さんからのご質問

♪ ここは、生徒さんからいただいた Q&Aのページです

〜練習時間/ピアノを始める時期/椅子のこと/レガート/スタッカート/ペダルのワザ/ソフトペダル

ピアノのメンテナンス/ピアノの寿命/楽譜の違い/フォルテがきたない音に〜

 

Q : 1日にどのくらい練習すればいいですか?

これはよく質問されます。ピアノとの関わり方は人それぞれ違うと思います。
大人の方の場合は、お仕事や家庭と無理のないように両立して、長く続けて下さい。
ブランクが長くあって再開される場合、無理な練習をすると、腱鞘炎を起こす場合もありますから、気をつけましょう。
お子さんの場合は、毎日ピアノの前に座る習慣が大切です。どうぞお母様がサポートしてあげて下さい。

中学、高校と進むと学校や部活、塾、受験勉強で忙しくなりますね。そんな時は課題曲を少し減らして、無理がないように練習+レッスンされるといいと思います。
発表会、コンクールなど、決まった日に発表する場合は、普段より少し頑張りましょう。

 

Q : ピアノを始めるのは何才くらいがいいのでしょうか?

よくお母様に聞かれる質問です。早ければ早いほど良いように思えますが、ピアノの鍵盤は意外に重いのです。子供の小さい手で弾くのに負担にならないのは、ど んなに早くても4才から5才くらいではないでしょうか。その時「どれみ」程度の平仮名が読めるようになっていればなおいいですね。
それまでは、歌やリズム遊びをしたり、音楽に親しむ機会を作ってあげたり、家にピアノがある場合は楽器に親しむ程度がよいと思います。
いずれにしても、お子さんが自分で興味や関心を示したときが始めるタイミングです。
早くスタートすること=早く進歩することではないようです。

ピアノは先の長ーい勉強ですから、じっくり見てあげて下さい。

 

Q :  椅子の位置や高さが決まりません・・・

まず椅子の高さですが、高すぎると腕にスベリ台のように角度がついてしまいますね。これでは指が楽に上がらなくなります。逆に低すぎると、フォルテの時、自 分の腕の重みをタッチに生かせなくなります。座って手を鍵盤にのせた時に腕が垂平になるくらいがちょうど良いでしょう。
今度は椅子の位置ですが、鍵盤の低い音域から高い方まで、楽に弾くためには、あまりピアノに近過ぎないようにしましょう。座り方は浅く、椅子の半分くらいまでがいいでしょう。(小さいお子さんの場合はひざの裏が椅子につくまで深く腰掛けましょう)
座った時に骨盤が後ろにひけて腰が丸くなっていませんか? お尻を少し後ろに突き出すようなつもりで腰から背中を自然に伸ばして、少し前傾姿勢を心掛けましょ う。肩から下は重力に従い自然に下に降りていますか?

では、静かに手をピアノにのせてみましょう。手首がちょうど鍵盤の高さに来るように指を自然に丸く 鍵盤にのせましょう。


 

Q :  レガートがうまく弾けないのですが、なにか練習のコツがありますか?

レガート、難しいですね〜。でもうたう表現にはとても大事なことです。
レガートというと、横の音のつながりに神経が行きがちですが、脱力して弾けていないと、1つ1つの音がよく鳴りませんし、レガートもつながりません。自分の身体や手の、脱力の状態と、出て来る音の関係にうんと耳をすまして下さい。
大事なことは、指と鍵盤の関係がレガートなのではなく、ピアノから出てきた音同士がレガートになっているかどうか? ですね。

矛盾するようですが、指は軽いスタッカートのように奏していても、ペダルや強弱の表現でレガートを表現することもできるのです。
まず、フレーズを歌ってレガートでイメージしてみましょう。フレーズ感を出すためにクレッシェンドやディクレッシェンドを考えると自然にレガートになりますね。今度はペダルも使ってメロディーラインをピアノで弾いてみましょう。歌のように弾けましたか?
よーく聴いてみましょう。
実際は、簡単に弾けて、短かい練習曲を、集中して練習するのがいいと思います。


 

Q : スタッカートが乱暴な音になってしまう時があるのですが、どうして?

スタッカート、いい音で歯切れ良く弾きたいですね。
乱暴な音になってしまった時は、ピアノの鍵盤を遠くからたたいていないか、チェックしてみて下さい。 
スタッカートの歯切れ良さは打鍵(タッチ)の速さで決まります。

遠くから打鍵すると、衝撃は大きいのですが、打鍵「瞬間」のスピードは、それほどでもないのです。
指を鍵盤からなるべく離さないで、素早く突いて来るようなタッチで弾いてみましょう。
和音の場合はとくに、指を揃えてすとんと真下に速い打鍵です。
この時、次の和音への指のポジションの入れ替えは素早く、次の和音の上でスタンバイしているくらいのつもりで。
オクターブの速いパッセージや和音の連続などでは、手首のスナップを使う場合もあります。

中には、柔らかい余韻の長いスタッカートもありますね。
筆ではらったように、柔らかく音が消えていって欲しい時はどうすればいいのでしょうか?
さて、ここでペダルが活躍します。スタッカートでも、ペダルを踏んで下さい。
すばやい打鍵の後、指はもう残っていませんが、ここでペダルをゆっくり上げることで、余韻を柔らかくコントロールできますね? 

これで2分音符のスタッカートが出て来てもバッチリです。
 

 

Q : ペダルの使い方いろいろ

右のペダルの役割ってなんでしょう?
右のペダルを踏むと、全ての音のダンパーが上がります。
ダンパーというのは、弦の振動をストップさせるフタのようなもので、通常は弾いた音のダンパーだけが上がって、

鍵盤から指が離れると降りて来て弦の振動を止める役割をします。
右のペダルを踏んで、全ての音のダンパーが上がると、弦の振動が止められないので、響きが持続しますね。

弦が解放され、共鳴もするので、響きも大きく豊かになります。和音などで大きな響きが欲しい時や、響きを長く残したい時、ペダルを踏んでみましょう。


ピアノという楽器は指が鍵盤から離れると、普通は音が消えてしまいます。指が届かないところは音がぷすぷす切れてしまいます。

なんだか寂しい響き・・・もっとなめらかにロマンチックに歌いたいのに!
ここで、ペダルが活躍します。
指が鍵盤から離れて、次の音のポジションに移動して打鍵するまで、ペダルを踏んで響きを持続させておくと、上手にレガートが表現できます。これをレガートペダルといいますが、次の音のペダルを踏むタイミングは、打鍵より少しだけ遅らせることがとても大事です。
ペダルを初めて使う時、難しいなと感じるのは、このレガートペダルを踏みかえるタイミングかもしれません。踏み替えのタイミングが早すぎると、音が切れてしまいますし、遅すぎると響きがにごってしまうことがあります。タイミングよく踏み替えができるようになったら、響きがにごっていないか、よく聴いてみましょう。ハーモニーが同じなら、ペダルを踏んだままでも響きはにごりませんが、ハーモニーの変わり目ではペダルを踏み替えましょう。また同じハーモニーの中でも、メロディーがぼやける時、音が重なって響きが大きくなり過ぎる時など、臨機応変に耳を頼りにペダルを踏み替えます。


少し繊細な使い方も紹介しましょう。
ハーフペダルといって、ペダルを底まで全部踏みこまないで、上から1/2 〜1/4程度に浅く踏む方法です。
全部踏みこむよりも、響きが軽く濁りも少なくなります。
左手がベースの音を弾いたあと、離れた場所であれこれ和音を弾くような場合、ハーモニーは変化するのでペダルはかえないと濁りますね。でも、ベースの音は切らないで残しておきたい時もあります。そんな時には、この踏み方で響きの妥協点を見つけます。最初にペダルを深く全部踏み込みます。弾き進んで響きがにごってきたかな、と思ったら、ペダルは全部あげないで少し残しつつハーフペダルで踏み替えていきます。
ペダルって「踏むか、踏まないか?」 ではなく、ファジーな使い方もありなんですね。

もうひとつ、ペダルを踏んだり上げたりする動作のスピードも大事です。
スタッカートの語尾を、優しくふっと切り上げたい場合も、打鍵したあとペダルをゆっくり上げることで、上手に表現できますよ。
ペダルは、足で踏むのではなく耳で! とはよく言われる言葉です。試してみて下さい。

 

 

Q : ソフトペダルってどんな時使うんですか?

ソフトペダルは左側のペダルのことですよね。楽譜には通常、ソフトペダルを踏む箇所にuna corda(ウナコルダ)、上げる箇所にtre corda(トレコルダ)と記されています。でも、もちろん自分で音色を変えたい時にもよく使います。 その名の通り、音色をソフトにしたい時、暗くしたい時、小さくしたい時などに使いましょう。


さて、ではどうして音色が変化するのでしょうか? 
その仕組みはどうなっているかというと・・・
グランドピアノではソフトペダルを踏むと、! 鍵盤全体が右にずれますね。

これによって、鍵盤と一体化しているハンマー(フエルトが巻いてあるところ)も右にずれ、すり減っていない柔らかいフエルト部分が弦をとらえることになります。しかもずれる事によって、とらえる弦の数が減ります。

このため、音色がソフトに弱くなるわけです。(アプライトピアノは構造が違います)


ソ フトペダルを踏む時は、突然音色を変化させたい場合が多いのですが、上げるときは少し注意が必要です。ソフトペダルを上げると、音色がいっぺんにダイレクトに表にでてきますね? 音色が急激に変わりすぎないか、よく聴いてみましょう。

ゆっくり上げたり、1拍めではなく、弱拍でソフトペダルをとるのもひとつ のコツですよ。

 

Q : ピアノのメンテナンスはどうしたらいいの?

ピアノの大敵は湿気なのです。

ピアノのアクションは鍵盤からハンマーまで様々な部品(主に木でできています)がつながってできています。

湿気によって、このアクションがスムースに動かなくなると、ひどい場合は指を離しても鍵盤が上がって来なかったり、音が残ったりします。
ピアノは元来ヨーロッパで生まれ発展した楽器ですね。理想的な湿度は45~50%と言われています。

梅雨時や雨の日は、窓は開けないように、除湿器やエアコンで対処しましょう。
また、同じ理由からキッチンなどの湿気の影響を受けない場所、窓からは離れた場所に置きましょう。直射日光もちろん避けて下さい。

 

日々練習していると、ピッチが下がって来て音がうねったり、アクションに違和感を感じたりすることがありますね。

そんな時は調律をしてもらいましょう。信頼できる楽器店に調律師を派遣してもらいます。
調律師は、狂ったピッチを整えるだけでなく、荒れたハンマーのフェルトを整えたり、総合的にメンテナンスをしてくれます。

普段の練習で気になっていることがあったら、伝えたり、質問したりしてみましょう。
 

 

Q : ピアノの寿命はどのくらい?
 

ピアノの心臓部はどこでしょう? 

響板(きょうばん)でなないでしょうか。

響板は、グランドピアノでは下にもぐってみると裏から触れます。アプライトピアノでは背面の、木の色の部分です。響板は松の木でできている薄い板です。弦の振動が、駒を伝わって響板に伝わり、響板が振動して美しい音になるのです。

ピアノの寿命は楽器によって違いますが、鍵盤やアクションは古くなると総入れ替え(オーバーホール)ができます。メンテナンスがよく行き届いて、響板が健在で、鍵盤やアクションのコンディションがよければ、100年前の楽器でも十分演奏にたえるものもありますよ。

 

 

Q : 同じ作曲家の曲でもいろんな楽譜があって・・・違いがあるんでしょうか?

か・な・り・違います。
それはさておき、楽譜の元のもとは、どこにあるのでしょう?
作曲家の頭の中に響いていた音??
このとってもアナログな産物を、作曲家は点と線を使ってデジタルな楽譜に表しました。
現代の私たちがさかのぼれるのは、どんなに頑張ってもこのデジタルな世界、作曲家の書いた手書きの楽譜までなんです。
手書きの楽譜はすでにない場合もあって、そういう時は、手書きの楽譜から写譜されたものや、初版として出版されたものにさかのぼります。

楽譜には、原典版と呼ばれる、作曲家の手稿譜に忠実なものがでていますから、一度見てみましょう。輸入版ではヘンレ版がよく知られています。
手稿譜に不備があったものや、出版後に作曲家自身が変更や加筆したもの(ショパンに多い)などには、注釈がついています。

原典版に対して校訂版というものがあります。作曲家の手稿譜には載っていない、強弱、スラー、指使い、ペダルなどを、校訂者が書き足したものです。
バッハや古典派の原点版はとってもシンプルでスッキリ見えます。強弱はどうすればいいのか、指使いやペダルは?

原典版だけでは心細く感じる人は、信頼できる校訂版を使いましょう。
機会があれば、原典版と校訂版を見比べてみて下さい。面白いですよ。

 

 

Q : フォルテがきたない音になってしまうのですが・・・
 

フォルテ=強い音=力一杯弾くではないようですね。
音量は相対的な関係なのです。今の自分が「無理なく出せる最大限」のフォルテッシモを頂点に、メゾフォルテやピアノ、ピアニシモなどを考えてみて下さいね。
では、「無理なく出せる最大限」って、どんな音なのでしょうか。
弾いたあと時間とともに音質があまり変わらずに音がよくのびていますか? それとも最初はぐしゃっと大きな音がするけど、すぐに音がやせてしまっていませんか? 
速い打鍵で弾いたら音の行き先をよーく聴いてみましょう。 音の伸びはどうですか? 違いがありますか?
今度は、1つだけの音の強弱ではなく、音同士の音量のバランスを考えてみましょう。
例えば、右手のメロディーラインと左手の伴奏の大きさのバランスはどうでしょう。
伴奏がメロディーより大きくなっていませんか?
伴奏は一歩控えめな音量に、特にメロディーが単音の時は気をつけましょう。

今度は縦ラインが和音の場合、それぞれの音の大きさのバランスはどうでしょう?
う〜ん、むずかしそうです。
たとえば、左手がドのオクターブ、右手はドミソドの和音を弾く場合を例にとってみましょう。
全ての音を同じ大きさで弾くと・・・頑張って力一杯大きな音で弾いてもそんなに響きません。特に広いホールで聴くと音が詰まったように聞こえてしまいます。
これは音の倍音という性質と関係してくることなのですが、つねに最低音(バス)はよく響かせましょう。バスがしっかり響いてくれれば、その上に他の和音がきれいにのっかり響きます。
さらに、右手のドミソドの和音ですが、こういう和音の場合、最高音がメロディーラインを兼ねている場合が多いですね。最高音もしっかり響かせましょう。輪郭のはっきりしたクリアーな響きになるはずです。
逆に、もわっとした暖かい響きが欲しい場合は、内声部も均等に響かせます。
和音の中の1音だけ響かせたり、均等に響かせたり・・・なんだかむずかしそうですね。
指のポジション(鍵盤を弾く位置)や曲げ具合、重心のかけかたなどを工夫してみましょう。

このように、フォルテを弾く時には音の大きさや弾く時のパワーだけにとらわれずに、出てきた音の「響き」をよく考えることで、バランスの良い響き=きれいなフォルテが弾けるようになると思います。

 

 

 

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